地頭(自頭)が良いとは、単にテストの点数や成績が良いということではなく、生まれ持った頭の良さ=頭の回転が速いことをいいます。
この地頭が良い人には、論理的な思考力や鋭い観察力、高いコミュニケーション能力といった特徴があります。
そして、地頭の良さは社会で生き抜き活躍するための力になり、困難な状況や問題に立ち向かう大きな助けとなります。
今回は、この地頭の良い子を育てる方法について考察しました。
~もくじ~
記事本編
地頭(自頭)の良い子とは
最初にも少し書きましたが、ここで言う地頭(自頭)が良いとは、単にテストの点数や成績が良いということではなく、生まれ持った頭の良さ=頭の回転が速いことをいいます。
少しわかりにくいかもしれませんが、この地頭とは自ら考える能力のことであり、発生する問題に対処するために自分の持っている知識や情報を有効に処理して組み立て、それを活用し解決に導こうとする能力のことです。
この地頭が良い人には、論理的な思考力や鋭い観察力、高いコミュニケーション能力といった特徴があります。
地頭が良い=成績が良いではない
地頭(自頭)が良い子は要点を押さえて要領良く勉強ができるため、一般的にテストの点数や成績が良い傾向が見られます。
しかし、地頭が良いことと、テストの点数や成績が良いということはイコール(同じ、等しい)ではありません。
例えば学生の頃、テストの点数や成績はそこまで良くはないけれど、やたらと頭の回転の速い人=要領の良い人というのが、たいていクラスに一人はいたのではないでしょうか。そういった人をイメージすると、地頭の良さを理解しやすいのではないかと思います。
これもイメージですが、学生の頃、クラスにいたその頭の回転の速い人=要領の良い人は、あまり勉強をしていないように見えても授業中に重要な部分だけは要領よく理解しており、テストの点数が意外と良かったりする・・・ということはなかったのでしょうか?
地頭とは、成績やテストの成績、後天的に得た知識とは関係がない、その人そのものの頭の良さを指します。
そして、この地頭は後からでも育み、鍛えることができます。
地頭が良くても勉強は大切
いくら地頭(自頭)が良くても勉強は大切です。なぜなら、インプットされた(蓄えられた)知識や情報が少なければ、それらを活用して問題を解決に導くことが困難になるからです。
地頭が良いにもかかわらず、テストの点数や成績がそこまで良くはないというのは、単にインプットされた知識や情報が少ないため地頭の良さが十分に発揮されず、点数や成績に現れていない可能性が考えられます。
つまり、地頭の良さを十分に発揮するためには、やはり勉強=知識や情報を得ることも大切です。だからといって、子どもに膨大な知識や情報を詰め込むだけ=学校の他に学習塾などでたくさん勉強させるだけ、ということには少し疑問があります。
まずはそれらの知識や情報を有効に活用するための力=地頭(自頭)を育ててあげることが大切ではないでしょうか。
子どもに勉強させることと、子どもの地頭を育むことは同じようで違っており、また、両方とも等しく大切なものである・・・ということを理解することが重要です。
地頭の良さは生き抜く力になる
地頭(自頭)の良さは勉強だけでなく、試験や面接の他、トラブルや問題に直前した時、生活や仕事の中など人生のすべてで役に立ちます。地頭の良さは、まさに社会を生き抜くための力になります。
社会に出ると成績=知識や情報はもちろん必要ですが、どちらかというと頭の回転が速い=要領の良さの方が重要になります。
そして、地頭の良い人は柔軟な思考で処理能力も高いため、周囲からの信頼にもつながります。信頼される人になれば人生がより豊かになりますし、人生において損害やリスクを回避して利益を得る(得をする)場面や機会も多くなります。
これは、自分の個人的な子どもの教育に対する考え方なのですが、子どもに大量の知識や情報を与えるよりも、まずはそれらを有効に処理して組み立て活用する力=地頭を良く育ててあげたいと思っています。
これからの時代、知識や情報はもちろん重要ですが、定められたマニュアル通りの対応よりも、新しい発想と論理的で素早い思考=頭の回転の速さ(地頭の良さ)と柔軟な対応が求められます。
地頭の良さは社会で生き抜き活躍するための大きな力になり、困難な状況や問題に立ち向かう助けとなるハズです。
地頭の良い子の特徴
地頭(自頭)の良さはテストの点数や成績には現れないため、一見するとわかりにくく客観的に判断が難しいのですが、地頭の良い子どもには具体的にどのような特徴・共通点があるのでしょうか。
最初にも少し書きましたが、地頭が良い人には論理的な思考力や鋭い観察力、高いコミュニケーション能力といった特徴があり、簡単にまとめると主に4つの特徴が強く見られます。
地頭の良い子の4つの特徴
- トラブルやイレギュラーに対応できる
- 理解力が高い
- 観察力、洞察力が鋭い
- コミュニケーション能力が高い
地頭の良い子には上に書いたような特徴が見られ、いずれも頭の回転の速い人=要領の良い人に見られる特徴と共通する傾向が見られます。
それでは、次にそれぞれの特徴について具体的に説明していきます。
トラブルやイレギュラーに強い
地頭の良い子は頭の回転が速く、その場の状況に応じて論理的に考えて応用・対応・行動することができるため、はじめての状況にも柔軟に対応することができ、特にトラブルやイレギュラーに強い傾向が見られます。
トラブルやイレギュラーが発生した場合、それに対して冷静に判断し答えを導き出すことができます。また、定められた枠組みに固執せず、優先すべきことや現状を把握して柔軟に考えることができます。
理解力が高く洞察力優れる
地頭の良い子は理解力が高く、すべてを説明しなくても、少ない情報から全体を推測し理解することができます。
観察力(表面的なことを細かく見る力)にも優れ、得られた情報から素早く把握・推測することができるため、洞察力(物事を深く鋭く見抜く力)にも優れています。
話を聞きながらその場で的確な質問ができる上、少ない説明や周りの状況から多くを理解できるため率先して行動できる特徴があります。
コミュニケーション力が高い
高い理解力と優れた洞察力はコミュニケーションにも発揮されます。
表現力豊かに相手の表情や反応・感情を繊細に読み取ることができるため、地頭の良さは表現やコミュニケーションの場でも大いに活かされます。
地頭が良い子は相手の気持ちを考えて柔軟に対応できるため、相手との距離を保ちながら適切なコミュニケーションを取ることができます。
また、相手に合った話を提供したり相手の立場に合わせた話し方をしたりすることができます。
子どもの地頭の育て方
地頭(自頭)の良さは生まれ持ったものではありません。もちろん、生まれ持ったものも多少はあるのでしょうが、その大部分は後から成長したり身に付いたりするものです。
つまり、地頭は後からでも育み、鍛えることができます。そのため、地頭は子どもだけでなく大人も鍛えることができます。
また、子どもの地頭の成長は周りの大人(特に親)の子どもへの関わり方や環境に依るところがとても大きいと言えます。
ここでは、子どもの地頭の育て方について具体的に説明します。
地頭を育てる習い事
地頭を良くするための習い事に「ピアノ」があります。ピアノは楽譜を読み両手の指を使うことで脳を刺激して活性化するので、地頭の成長に大きな効果があるそうです。
また「そろばん」も地頭の成長に効果があります。そろばんは集中力が身に付く上、細かい指の動きと高度な計算で脳を刺激し発達を促します。
その他にもスイミングやプログラミング、習字などなど、インターネットでは多くの習い事がさも効果があるようにそれらしく紹介されていますが、要は頭を使いながら身体を使用するもの=脳を刺激するものであれば、これといって何でも良いように思われます。
重要なことは、子どもが興味と好奇心をもって楽しみながら続けられるかどうかではないでしょうか。
子どもに興味と好奇心があれば、持続力はもちろん探求心や向上心につながって、自ら試行錯誤しながら挑戦しようと努力します。そして、それこそが脳への大きな刺激となり、それによって地頭の成長が促されるのではないかと考えられます。
好きでもない習い事を嫌々続けていては効果も半減しますし、ストレスでかえってマイナスな効果になってしまう恐れもあります。
また、習い事以外にも、おうちでもできる地頭を良くするための習慣に「読書」があります。
本を読むと読解力や想像力、そして語彙力が身に付きます。幅広い知識は他人とのコミュニケーションに有効です。また、多くの情報や知識を得ることで柔軟な思考につながります。
本を読んで多くの情報に触れることで視野が広がり、物事を多角的に捉えて考える力が身に付きます。
自頭を育む子どもとの関わり方
子どもの地頭を育てるためには、やはり子どもと多くの時間を共にする自分たち(親)の子どもへの関わり方や、家庭でもできる子どもの地頭を鍛える習慣がとても大切です。
それは、次のたった5つのことであり、意識すれば誰でもできること、そして、とても簡単なことです。
自頭を育むたった5つの子どもとの関わり方
- 子どもに多くの経験や体験をさせる
- 子どもの疑問に一緒に考える(すぐに答えを出さない)
- 子どもに選ばせて決めさせてあげる
- 子どものやりたい気持ちを尊重する
- 結果に関わらず過程を大事にしてあげる
たったこれだけのことでいいのです。
まずは、子どもの「なんで?」や「どうして?」といった疑問を大切にしてあげるところからはじめてみましょう。
子どもの疑問や質問に、まだ幼いからと子ども扱いして曖昧な説明をするのではなく、具体的な数字や表現で伝わりやすい話し方を心掛け、何度でも説明して理解させてあげるようにしましょう。
他にも、子どもの意見を尊重して肯定的に捉えるだけでなく、1つの物事に対してあらゆる方向から考えさせてあげることも大切です。
では、もっと具体的にどのように子どもに接するのかについてですが・・・実は、これに正解はありません。というか、やり方もひとつではなく、子どもに適した方法はいくつもあるため、自分も最適な方法がわかりません。(_ _;)
子どもの地頭を育むためには、自分たち(親)が、その時々で考えてきちんと対応していかなければいけません。
この記事のタイトルである「地頭の育て方」に明確に答えられていませんが、自分たち(親)が勉強だけでなく子どもの地頭を育てることの重要性を理解し、それを意識しているだけでも、その後の子どもの成長に大きな違いが現れるのではないかと思います。
地頭だけでなく情緒面の成長も大切
地頭(自頭)の良さを十分に発揮するためには、実は勉強以外にも、もっと大切なことがあります。それは、子どもの情緒面の成長です。
地頭の良い子は、柔軟で適切なコミュニケーションによって周囲からの信頼も得られやすくなります。そして、信頼される人になれば、人生がより豊かになります。
しかし、ここで重要なのが地頭の良さだけでは周囲からの信頼を得ることはできないということです。
周囲からの信頼を得て豊かな人生にするためには、相手の立場や心情に合わせたやさしさや思いやり、心がけが必要です。そして、それには地頭だけでなく子どもの情緒的な発達が必要不可欠です。
子どもが豊かな心情や意欲・態度、そして、やさしさや思いやりを身に付けられるように、多くの経験や体験を通じて子どもの情緒面の健やかな成長を育んであげましょう。
地頭の良い子の育て方のまとめ
地頭(自頭)の良さは、子どもが社会で生き抜き活躍するための大きな力になり、困難な状況に立ち向かい人生をより豊かにする助けとなります。
これは、自分たち(親)が子どもへ与えてあげられる生きるための術であり、男の子も女の子も同じです。
また、地頭を育てることと同様に、勉強=知識や情報を与えることや、子どもの情緒面の成長を育むことも大切です。
その方法は子どもによりいくつもあるため、これといった正解はありません。結局は自分たち(親)がその時々で考え、子どもに正しく対応していかなければいけません。
しかし、まずは自分たち(親)がそれを意識することが重要であり、そしてそれだけでも、その後の子どもの成長に大きな違いが現れるのではないかと思います。
子どもにたくさん勉強させて情報を詰め込むだけでなく、まずはそれらを有効活用する力=地頭と、それを正しく発揮させるやさしさや思いやりを育んであげるようにしましょう。
△記事のご紹介△
育児に役立つあれこれや子育てに関する記事以外に、ディズニー英語システム(DWE)の実践記事も書います。そちらも読んで下さると嬉しいです。